■特攻装警グラウザー【登場人物・全リスト】

特攻装警グラウザーに登場する登場人物群を全てリストアップ!!
本編からは見えにくい背景事情も公開!
(でも、可能な限りネタバレは回避しているつもりです!)
 全6体の特攻装警の5人目にして第6号機
 警視庁刑事部捜査一課所属(科学捜査係預かり)
 現状全6体存在する特攻装警の中で唯一の女性型。優れた対人コミュニケーション能力を持ち、一般捜査活動や尋問取り調べ、各種ネゴシエーションなどに優れた能力を発揮するタイプ。
 エリオットの完成と前後して、警視庁の刑事課から特攻装警運営委員会へと上申された提案書があった。それが『一般捜査活動における女性刑事としての特攻装警』というもので女性型の特攻装警の運用による女性刑事の絶対数への充足を訴える物であった。刑事部の現場では女性刑事の存在は非常に重要であり、女性犯罪者への尋問や取り調べ、身体検査などの男性では対応できない特殊事情や、女性ならではの豊かな情緒性に裏打ちされた捜査判断など男性では対応できない事案は多岐にわたっていた。
 これらの問題に対応する手段として、女性警察官としての特攻装警の必要性を訴える提案書であった。

 警視庁/警察庁上層部ではこの上申提案書を採択、特攻装警運営委員会に提案するとともに第2科警研に対して、女性型特攻装警の開発の可能性を打診した。これに対して第2科警研では、女性型特攻装警の開発は可能とする回答がなされた。この回答の判断をしたのが第2科警研内で主任研究員をしていた女性技術者の布平しのぶ女史である。この報告を受けて特攻装警運営委員会は女性型特攻装警の開発計画を承認、6体目の特攻装警として開発がスタートする。
 これを受けて布平女史は女性型特攻装警開発のための技術者を招聘。5人の女性技術者からなるチームが編成されF班として活動が開始される事となるのである。

 布平女史率いるF班ではそれまでの特攻装警開発技術を継承しつつも、女性型アンドロイドと言う命題を重視し、よりリアルなヒューマノイドとしてのシルエットと、成人女性並みの重量とする事を目的とした。外見的な完成度は諸事情からある程度の妥協をする事を余儀なくされたが、頸部から頭部にかけての部分は生身の人間と殆ど差異がないほどの高度なクオリティに仕上げられている。また、重量については極めて斬新な方法で問題解決が図られる事となった。

 そもそも――
 アンドロイド開発の世界では〝軽量化と高機能化は両立しない〟と言うのがそれまでの常識である。
 より高機能を目指すのであれば必要な内蔵メカニズムは増え実質重量は増していく。
 また生身の人間と同等の重量を維持しようとするのであれば機能面では成約が科せられる事となる。
 その多くは機能性を優先し重量面で妥協しているケースがほとんどであるため、リアルな人間的な外見のヒューマノイドタイプアンドロイドを志向しようとすると、重量はどうしても重くなるのが通例である。

 だが布平女史率いるF班では、アンドロイドのボディを柔軟性をある程度残した金属メッシュ製の〝かご〟で構成、これを人間の肌に近い触感を持ったバイオプラスチックパネルで被覆することで、金属メッシュパネルによる外骨格構造とした。これが『柔らかい外骨格』と呼ばれる独自構造である。そもそも重量増の最大要因となる物の一つが『骨格』である。骨組みが頑丈であればあるほど重量は増す。また内骨格式のような複雑な構造でも重量は増す傾向にある。これを軽量なカゴ構造とした事で重量を大幅に軽減、頑丈さよりも衝撃の分散による対処とする事で構造上の強度条件をクリアしたのである。
 この大幅な軽量化の成功により可能となったコンセプトがある。それが飛行機能の付加である。
 アンドロイドやロボットへの飛行機能の付与。それは世界中の多くの技術者が夢見て、完成を志向してきた夢の概念である。だがその完成には大きなハードルがあった。すなわち『重量軽減問題』である。
 
『高機能にすれば機能分重量が増す。軽量化すれば機能面で妥協が必要になる』

 このパラドックスと言える問題は飛行機能アンドロイドと言う命題ではより重要なものとなり、高機能な飛行能力を付与しようと思うと重量が増す。そしてました重量の分、より大掛かりな飛行機能が必要になるという本末転倒な事態が発生する。それゆえにそれまでの飛行機能アンドロイドは妥協を余儀なくされており、大空を鳥のように自在に飛行するアンドロイドと言うのは世界中の技術者が求めた夢であり、実現し得ない絵に描いた餅でしか無かった。それを実現したのがフィールに採用された『柔構造外骨格』であった。劇的な軽量化に成功した事で、フィールに飛行機能を搭載することが可能となったのだ。
 
 特攻装警6号機のフィールはこれらの技術革新により成人女性並みの軽量性と、より人間的な柔軟な外見インタフェース、優れた動体能力、さらなる高機能性の確保、さらには飛行性能の獲得に成功することなる。
 そして完成したフィールの運用は刑事部の捜査1課へと委ねられることとなった。
 捜査1課では課内の科学捜査班にフィールを配属。そして、捜査1課課長を身柄引受人として登録する一方で、指導監督役として中堅の女性刑事を配置、育成に当たることとなった。その優れた対人インターフェース機能とネゴシエーションスキル、さらには飛行機能を駆使しての高度な情報管制機能を犯罪捜査/犯罪制圧の現場に発揮する事が求められた。
 だがこの育成が大問題となる。
 指導監督役に着任した女性刑事・神尾警部補がフィールにスパルタ教育をもって臨んだためである。捜査課刑事としての必要スキルの習得と教育がしっかりと行われたのは当然であるが、神尾刑事はフィールに格闘技技術を教えることを何より重要視した。特に柔道の鍛錬を一切の手加減無く叩き込み、やりすぎとの批判が出るまでに来る日もシゴキ続けたと言う。フィールが柔道の体捌きを体で覚えるまでは生傷はもとより破損が耐えなかったとか。
 一時は指導監督役の変更まで検討されたが、指導対象となるフィール自身がこれを拒否、育成指導期間が終わる9ヶ月間、神尾刑事の指導を受けたと言う。
 この1件について神尾はこう述べている。

『彼女自身の柔軟性はそのままでは弱点でしか無い。だが柔道の柔能く剛を制すの精神のように、彼女自身が己の身体機能の長所短所を知り尽くしフルに使いこなせることができるなら、この先の彼女の人生において彼女を苦しめるであろう困難や壁が少しでも消えるのではないだろうか? 柔らかいこと、頑丈さが無いこと、それを弱点のままで放置するのではなく、フィール自身が己の限界を超えるためには多少の無茶をしてでも鍛えてやるのが親心のはず。そう心を鬼にして彼女を鍛え続けてきました。その後、1年後が過ぎ、私を彼女が投げ飛ばした時、私が教えられるものはもう何も残っていませんでした』

 そしてその後、フィールは捜査課刑事としての独り立ちを果たし、犯罪捜査はもとより上空からの追跡任務、高度情報管制機能、さらにはその飛行性能と高速性を活かした非常戦闘まで幅広く活躍することとなる。
 その彼女の成長の影には複数の『母親』たちの姿があったのは言うまでもない。

 明るく明朗快活ながら、芯は非常に強く、いかなる困難にも弱音を吐かない性格。4人の兄たちの中も非常にいい。
 一方で、プライベートでは頼もしい兄たちに囲まれた末っ子のような面が顔をのぞかせ、やんちゃで幼いところを垣間見せると言う。
 ファッションにも広く興味を示しており、警察から支給されている人事手当てはほぼ全て衣装代に消えているという。

 なお、予算と基礎技術確率の面から首から下は体表部はかなり妥協しており、人工皮膚のない基礎パネルがむき出しの状態である。
 第2科警研のF班では、早期の改良と全身レベルでのリアルヒューマノイド化を目指しているそうである。

 専用車両は長く配備されていなかったが、彼女の飛行能力に見合う移動性能と高度情報管制機能を併せ持ったコンパクトカースタイルのEV車両である『ヴァルゴ』が近く配備予定とされている。
 専用銃はスプリングフィールドXDMコンパクトの45ACP口径、主に対人用だが犯罪組織構成員への有効な威嚇効果を誇示するためにあえて45ACPの強装弾を装填しているそうである

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